【硬膜外麻酔】
通称:エピ
それは麻酔科医を麻酔科医にするもの。
その、存在意義。
唯一で最後の砦。
なぜなら、
挿管。アゴがある人なら外科の先生
ーできます。
スパ(脊髄くも膜下麻酔)。背骨潰れてない人なら整形の先生
ーできます。
全身麻酔。心臓元気なら研修医、
ーできます。(真面目に研修すれば。)
早く手術させろよーー
そんな冷たい目にさらされながら導入を済ませ次第、
隅にうずくまる麻酔科医。
じゃあ、麻酔科医しかできない、でも麻酔に不可欠な手技は?
それはエピじゃ〜〜〜o(`ω´ )o
はい。言い過ぎました。でも、そんな気持ちでいました。
特に麻酔科医1年目。
今では、麻酔はもっと深いと自負していますけどねっ!(・ω・)ノ
そんなエピですがかなり分の悪い論文見つけてしまいました。
PMID: 25137006
硬膜外麻酔の恩恵ある説をことごとく批判するレビューです。
まず、
1 術後の生存率上がる?!
そうやって言ってた輩もいるけど。笑わせてくれるぜ。
8000人規模の大規模な後ろ向き研究で差がないっってさ!
2 心血管系の合併症を減らすかも?!
血管手術や、腹部手術で、そんな寝ぼけたこと言っていたヤツもいたけどさ。
何個ものメタアナルシスや2個のRCTで差がないってよ!!百歩譲ってハイリスク群では余地あるとしても通常リスクの人にはイミないな。
3 呼吸器合併症
疼痛抑制して深呼吸ができるから呼吸器合併症が減る?いやいや適当なこと言うなよ。
大規模RCTとメタアナルシスで差がないことは証明されたし。DVT(深部静脈血栓症)のリスクも抗凝固療法のルーチン化でかなり減ったからエピのDVT予防アドバンテージも減ったし。
4 鎮痛効果
まあ一般的に考えて、エピの最大のメリットであり、大義名分でもあるわけだ。
でもね。今はそれもエピの独壇場ではありませんよ!
オピオイド(麻薬)やNSAIDs、アセトアミノフェン、時には抗てんかん薬なども使えば十分な鎮痛が得られるし。
さらに、膝の手術でエピ、末梢神経ブロック、オピオイドで術後の検討をすると疼痛はどれも変わらなくって、末梢神経ブロックで副作用が少なくて満足度が高かったってさ!!
5術後回復
別に差はないよ!
6癌の再発
そんな寝言を言ったやついたらしいな!
最近の研究では再現性ないんですけど。寝言は寝てから言ってくださいませ。
7 エピの合併症
比較的安全な手技ダァ? も一度言ってみろ!
10万人に一人の合併症なんて嘘っぱちだ!
その100倍はあることは裏取れてんだよっ!!
最近は周術期の抗凝固療法が必要な人が増えているから、もっと多くなっていくんじゃないですかねぇ。
ひ、ひぇーーーー
スミマセンでした。もういたしません (´Д` )
ま、要するに麻酔方法の一手であるには間違いないが、
エピ至上主義に苦言を呈されているわけですね。。
10年後 エピは化石麻酔になっているんでしょうか。
「あの先生まだエピやてるらしいよぉ。古っ!」みたいな。
せっかく覚えたのになーーー ヽ(´o`;