臨時入りまーす。
朝ごはん食べたみたいでーす。さっき水も飲んだって!
ゲゲゲ。
麻酔科医のいやがる三大妖怪のひとりフルストマックです。
やだなー。吐かれたらどうしよう。
迅速導入(RSI: rapid sequence intubation)は、
そんな妖怪に立ち向かうべく、編み出された技です。
古典的には、ガツンと寝かして、吐かないようにのど抑えて換気せずにすぐ挿管!めでたしめでたし。てなわけです。
でもそれだと問題がいくつかありまして。
ひとつは、低血圧
短時間で深い麻酔にしなければならないので
普段よりも多めの鎮静薬を使います。
これを若い元気な人ならともかく、
心臓が弱った血管の硬い高齢者にやろうものなら
目も当てられない低血圧になってしまいます。
もうひとつは、低酸素
換気をしないということは、
筋弛緩薬が効いたあとは挿管して人口換気をするまで
無呼吸ということです。
ふくよかな人、小児はこの間に低酸素になることがあります。
そして、もっと問題なのは挿管が困難だった場合。
換気をしないと重篤な低酸素になりますが、換気をすると誤嚥のリスクが高まるというジレンマに陥るわけです。
そこでこのRSIについて改めて考えてみよう!と考えて検討した人々がおりましたとさ。
ま、要するに以下です。
今まで言われてきたことそんなに必要ないよーって説が出てるみたいです。
めったにない誤嚥を怖がるあまりに患者を低酸素脳症にするんじゃ意味ないぞってことでしょうね。