早朝の勉強会なるもの
熱心な研修病院ではお決まりの朝の勉強会なるものが、私が勤務する病院でも御多分に洩れず開催されております。
研修医によると、講師は”各科”持ち回り+たまに外部からの偉い(?)先生で週三回程度開催しているらしいです。
通常勤務前の時間を使うため早朝の開催となる事が多いようです。
今日はその勉強会の意義について考えて見たいと思います。
勉強会で残るのは満足感だけ?
勉強会というのは開催する方も、参加する方も「あー勉強してやったぜ!」という気になるし、おまけに「がんばってる研修病院」の宣伝までできちゃうのでまさにWIN WINなイベントだと思いますが、何が残るって何も残らない事が往往にしてあると思います。
というのも学会、研究会などがまだ書籍や論文にもなっていないの新しい知見を共有するというコンセプトなのに対し(一部、形骸化は否めないが)所詮「勉強する会」ですのですでに教科書に乗っているような内容をなぞることになります。「勉強」をしてきた人ならわかると思いますが、「勉強」は基本的につまらなくてごちゃごちゃしてて、覚える事が多いものです。よって、普通の「勉強会」は必ず眠くなります。笑
勉強会で求められることとは?
教える方にとっても、その照準の合わせ方がとても難しくなります。今回のように対象が研修医となっている場合、おそらくは「医学部卒業の知識は持ち合わせていることを前提として、臨床的かつ実践的な役に立つことを面白く教え給え」というのが要求なんだろうと推測します。
しかし、臨床をやるために必要最低限な知識は診断基準、検査の正常値、薬剤の容量、副作用、所見の取り方、画像の特徴など多岐にわたる上にこれをやるとなると数字の羅列であり、よっぽど自分のポケットにしのばせた「研修医〇〇ノート」などを参照した方が早いのです。
そして、極め付けは臨床的、実践的なことは臨床でしか学べないからこそ2年もの長い時間を費やして臨床研修しているのです。
実りある勉強会って何?
極論を言ってしまうと、身もフタもないのですが、その中でも有意義な勉強会なるどんなものでしょうか。それは、
1, 起きていられる
2, あぁ。そうだったのか的な”あは体験”がある
3, もっと勉強したいと思える
ではないかと思います。
1についてはもう、これが一番難しくて根本的問題です。起きていられない勉強会なんて家で寝てた方がいいんですから。ま、双方の努力が必要ですが。教える方としては印象に残る「絵」を意識する事かなと思っています。
2 まんべんなく説明していると、どうしても平坦な授業になりがちですので、「教科書を読んだだけでは理解しにくいであろうところ」に思い切って重点をおいてしっかりゆっくり説明する事が必要だと思います。何か一つでも、聞き手に残す事が大切です。
3 調べればすぐわかるところはあえてさらっと流すことで、「あ!それなんだったけーあとで復習してみよう」という気になります。
パワポの印刷を配布するのは逆効果?
よく、発表スライドをそのまま印刷して配布しておく形が取られますが、私はこれは勉強会に集中してもらうには逆効果だと思います。これをすると発表スライドを見る人が激減するからです。メモなんかしたって、あとで見るはずもないんですからしっかり見てもらった方がよっぽど印象に残ると思います。
パワポの作り方を工夫する
人の印象に残すためにはパワポの作り方も工夫が必要です。見やすいスライドの作り方については今後検証していきたいと思っていますが、以下は、具体例は豊富で実際のパワーポイントの設定をどういじるかも解説しているので実践的な良書だと思います。