ある日の真夜中の出来事です。
外科医:「夜間にすみません。アッペですー。」
私:「ふぇーいい。合併症は?年齢は?絶飲食は?」
外科医:「30歳男性。幼少期にお腹の手術しているそうなんですが、本人は詳細を覚えていません。内服はなしです。絶飲食はだいじょうぶです。」
−幼少期のお腹の手術?なんの手術だ??普通の若くて元気な男だ。まあ。大したことじゃない。(これだからDr.Gには決して呼ばれない笑)
眠い目をこすりながら病院へ。
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私:「はい。。眠たくなりまーす。」「挿管しまーす。」
ーふぅ。予定調和。。あとは後期研修医の外科医くんがペロンチョアッペと格闘するのをゆるりと眺めるとしますか。(こういうこというから麻酔科
口が悪いと言われる。)
むむ?!
これは、自発呼吸???
挿管してからものの10分と経っていない。
((((;゚Д゚)))))))なぜ?
少し多めに入れておこう。これで、さすがに1時間くらいはもつはず。
ーそれから15分後ー
自発呼吸!!!((((;゚Д゚)))))))
なんじゃこりゃ?どんだけ強いシナプスなんだよ?いったい何が起こってる?
さて。ここからがおそらく某番組でいうDr.Gの出番です。
実はこの患者さんのお腹の手術歴の既往
神経芽腫に対する副腎腫瘍摘出術でした。
この化学治療でフェニトイン(アレビアチン)という抗てんかん薬が使われることがある。そして、このフェニトインを長期投与することで非脱分極筋弛緩薬であるエスラックス(ロクロニウム)の作用が減弱するというのだ!さらには、フェニトイン投与直後にはエスラックスの作用を増強するというから驚きだ。